OUR BEGINNING
自由と本質を求めて。

株式会社リベルシアは、「真の自由と本質の追求」という価値観から生まれました。私にとって、それは単に自由に働きたい、独立して事業を成功させたいという思いだけではありません。
不動産取引、会社経営、そして自分自身の働き方。それまで当然と考えていたことを問い直し、必要だと思う方法を、自分の責任で実践したい。その思いから、リベルシアを創業しました。
独立を決めてから営業を始めるまでには、収入の見通しが立たず、資金が減っていく時間がありました。その経緯と、今の経営方針につながる考えを、ここに残します。
CHAPTER 01
不動産取引への疑問
不動産の仕入れから造成、販売まで携わる中で、私は一つの疑問を持つようになりました。不動産会社と売主が持つ情報の差は、売主の判断や選択に、どのような影響を与えているのだろうか、ということです。
買取再販事業では、不動産を仕入れ、必要な工事などを行って販売することで利益を得ます。その過程には費用がかかり、売れ残りや価格下落のリスクもあります。事業者が、それらに見合う利益を得ること自体に問題があるとは考えていません。
一方で、事業者は、不動産の価値や市場の動き、販売計画について、一般の売主より多くの情報を持っています。価格の根拠や取引の仕組みが十分に伝わらなければ、売主は提示された条件が自分に合うのかを判断しにくくなります。私は、その情報の差をどう扱うかが大切だと感じました。
売主が費用やリスク、売却までの時間を理解し、納得して売るのであれば、売却価格が低くても合理的な選択になる場合があります。しかし、判断に必要な情報や、ほかの選択肢を知らないまま取引を終えたなら、十分に選べたと言えるのでしょうか。
私が目指すのは、必要な情報を明らかにし、関係者がそれぞれ納得して判断できる取引です。これが、リベルシアの透明性に対する考え方の原点です。
CHAPTER 02
自由を求めた独立
独立を考えたもう一つの理由は、働き方に対する疑問でした。会社員として組織の方針に従う必要は理解しています。それでも、生活を守るために自分の考えと異なる方針に従うことに、不自由さを感じていました。
もちろん、自分の判断が常に正しいとは限りません。それでも、自分で考え、選び、その結果を引き受けたい。私にとっての自由とは、好きな時間に働くことや、誰からも指示されないことだけではなく、自分の判断に責任を持てることです。
私が目指す「真の自由」には、経済的にも精神的にも、他者に忖度せずに判断できることも含まれます。生活を守るため、あるいは利益を得るために、自分の倫理観を曲げずにいられる状態です。
相手の事情や異なる意見にも耳を傾けながら、自分の判断の軸を持つ。その軸が目先の利害で揺らがない状態を目指しています。
独立すれば安定した収入が保証されるわけではなく、仕事も会社の運営も自分で考える必要があります。それでも、その自由を得たいと考え、独立を決意しました。
CHAPTER 03
会社を自ら作るということ
9月、前職の社長から事前に許可を得たうえで、株式会社リベルシアを設立しました。この時点では、まだ前職に在籍していました。法人を設立したことと、宅建業として営業を始めたことは、別の段階です。
設立にあたっては、定款の作成や手続きを自分で進めました。費用を抑えることに加え、どのような会社を作り、何を事業とし、どう運営するのか。その根幹を自分で考え、理解したかったのです。
定款は、会社の基本的なあり方を定めるものです。登記する事業目的も、将来使うかもしれないという理由だけで、あらゆる事業を並べることはしませんでした。何をする会社なのか、その目的と方向性を明確にすることを重視しました。
会社の形についても、従来のやり方をそのまま採り入れるのではなく、一つひとつ必要性を考えました。大きな事務所は必要なのか。その設備は、本当に事業に必要なのか。人が繰り返し行っている作業を、仕組みに置き換えられないか。
会社の土台を理解し、本当に必要なものを選ぶ。この姿勢は、今の経営にもつながっています。
設立も、電子申請で。
設立の電子手続きを進めるために、Mac上にWindowsの仮想環境を用意しました。当時、申請に使うWindows専用の官公庁のソフトを入れ、カードリーダーも揃えて取り組みました。
定款の認証では、公証人から何度も助言をいただきながら、電子申請で手続きを進めました。当時、担当の公証人からは、費用を抑えるために電子申請へ挑戦する人は多いものの、最後までやり遂げる人はほとんどいない、という話も聞きました。
設立登記の電子申請でも、法務局の担当者から何度も差し戻しを受けました。最終的には「紙で申請しませんか?」と勧められましたが、その提案を断り、電子申請で進めることを選びました。
費用を抑えたいという理由に加え、ここまで環境を整えてきたのだから、何とかこの方法で通したい。そんな気持ちになっていました。最終的には、電子申請で登記を終えました。
最初の決算と、法人の確定申告。
会社の仕組みを自分で理解したいという思いは、税務申告でも同じでした。リベルシアは12月決算です。1期目の法人の確定申告も、自分で電子申請を行いました。
最初の決算は、資本金が入っているだけの、ごく単純な内容でした。それでも申告に必要な書類は多く、正直に言えば「地獄だった」と感じるほど大変でした。電子申請で何とか申告を終えました。
自分で申告したのは、経費を節約するためだけでなく、税務申告の仕組みを知るためでもありました。
CHAPTER 04
独立の現実
12月に前職を退職し、その後、宅地建物取引業の免許を申請しました。退職前日には、土地を売りたいという地権者の情報を2件、会社に報告しました。退職当日も、仕入れ契約をしてから退職しています。
売却希望者の情報や携わっていた案件は、前職に残しました。自分の会社の案件は、自分自身で開拓しようと考えていたからです。
本来、私は副業から事業を始め、軌道に乗った段階で独立したいと考えていました。しかし、私の開業計画は、自分が専任の宅地建物取引士を務め、一人で宅建業を営むというものでした。
宅地建物取引業法では、事務所に専任の宅地建物取引士を置くことが求められます。専任には、常勤性・専従性という要件があります。自分が専任を務めて一人で開業する計画では、前職の会社員として働き続けながら、この要件を満たすことは難しい状況でした。副業の形で始めにくかった背景には、こうした法制度上の条件があり、退職後に免許を申請する順序になりました。
さらに、宅地建物取引業法上、宅建業を営むには免許が必要です。会社を設立しても、免許を取得する前に宅建業の営業を始めることは法律上できません。準備は進められても、宅建業の仕事を収入につなげるまでには、待機期間がありました。
会社の設立や開業準備にかかる費用は、自己資金で賄いました。収入がない間も生活費や事業費は必要です。準備を進めながら、手元の資金が減っていく状況と向き合うことになりました。
免許を取得し、必要な手続きを整えて営業を始められるようになるまで、約2か月。取得後に案件が集まる保証もありません。先の見通しが立たないまま資金が減っていくことは、想像していた以上に重く、本当に苦しい時間でした。
CHAPTER 05
ゼロからの出発
免許を取得し、ようやく営業を始めても、すぐに収入が得られるわけではありません。仕事は一から開拓する必要がありました。
不動産の仕事は、案件を見つけて終わりではありません。売主との相談、物件調査、条件交渉、買主の探索、契約、決済。多くの工程を経て、ようやく収入につながります。努力しても契約に至らないことがあり、成立しても決済までに時間がかかることがあります。
その間も、生活費や事業費は必要です。収入の見通しが立たないまま、貯金だけが減っていく。独立前から理解していたリスクが、日々の現実になりました。
それでも、会社員に戻りたいとは思いませんでした。経済的には、会社員だった頃の方が安定していました。しかし、自分で判断し、その結果に責任を持てることには、その安定を手放してでも得たい価値を感じていました。
独立しても、法律や契約、資金、取引相手との関係など、さまざまな制約があります。その中で何を選び、どう行動するかを、自分自身で決められる。その自由が、私にとって大切だったのです。
CHAPTER 06
無駄を削り、価値を還元する
会社を大きくすること自体を、目的とはしていません。大きな事務所を構え、従業員を増やし、売上を伸ばす。それも一つの経営の形ですが、大切なのは規模よりも、どのように価値を生み出すかだと考えています。
固定費を抑えれば、会社を維持するために必要な売上も小さくなります。その分、経営の安定性を高め、買取価格や取引条件にも反映できる余地が生まれます。
ホームページや業務システムも自社で構築しています。物件情報を一元管理し、広告への掲載や資料作成など、繰り返し行う仕事を仕組みに置き換える。そうした工夫で、運営にかかる労力を減らそうとしています。
ただ経費を削減するだけでなく、減らした費用や労力を、どのような価値に変えるのか。そこまで考えることに意味があると思っています。
売主と買主の利益は、いつも一致するとは限りません。私の会社にも利益が必要であり、協力事業者にも適切な対価が必要です。全員の利益を常に最大にはできなくても、情報を明らかにし、費用やリスクを整理することで、それぞれが納得し、利益を得られる取引を目指したいと考えています。
会社の利益を確保しながら、売主、買主、協力事業者にも価値を還元する。そのために、慣習や形式にとらわれず、本当に必要なものを考え続ける。創業前から持っていた考えと、独立して経験した現実の両方が、今のリベルシアの経営につながっています。
OUR PHILOSOPHY
無駄を削り、
価値を還元する。
リベルシアという社名には、「自由」と「本質」という二つの意味を込めました。自分の意思で選択し、その結果に責任を持つこと。そして、物事の目的を見失わず、本当に必要なものを追求することです。
無駄を削り、価値を還元する。私は、これからも日々の判断と仕事を通じて、この考え方を実践していきます。
株式会社リベルシア 代表取締役 國吉 和博
